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学会に参加してきたおはなし

写真の撮り方が下手でした、、、
WordPressは縦撮りと相性が本当に悪い、、、
半年ぶりのブログとなりました、なりひら治療院の鈴木です🍀
冒頭からネガティブな始まりとなってしまいましたが、内容自体は「知的好奇心が満たされた」というポジティブなものとなる予定です笑

第51回 日本東洋医学系物理療法学会
〜痛みの新しい概念と鍼灸・手技療法の可能性〜

先日、2026年3月7日に筑波大学東京キャンパスにて開催された
第51回 日本東洋医学系物理療法学会 学術大会に参加してきました。

今回の大会テーマは
「痛みの新しい概念からみた鍼灸手技療法
―難治性疼痛の治療戦略を探る―」

というもので、近年大きく変わりつつある
**「痛みの理解」**について多くの研究発表がありました。

恥ずかしながら、51回も開催されているのに、つい先日までこの学会の存在を知りませんでした。
我々の業界では”全日本鍼灸学会”が一番メジャーで、日本学術会議の協力学術研究団体としても認定されており、その名の通りやはり"鍼灸”に関する研究が中心です。
今回参加した、日本東洋医学系物理療法学会は鍼灸だけでなく、あん摩マッサージ指圧=いわゆる手技療法の研究発表も多いとのことで期待を持って参加しました。


痛みの新しい分類「痛覚変調性疼痛」

近年、痛みは次の3種類に分類されるようになりました。

①侵害受容性疼痛
組織の炎症や損傷による痛み:ズキンズキン・ひきつる・うずく
(例)

  • 肩こり
  • 筋肉痛
  • 捻挫

②神経障害性疼痛
神経の障害による痛み:痺れ、軽く触れるだけで生じる、電気が走る、焼ける

(例)

  • 坐骨神経痛
  • 手根管症候群
  • 帯状疱疹後神経痛

③痛覚変調性疼痛
神経系の働きが変化して生じる痛み

  • 線維筋痛症
  • 一部の慢性腰痛
  • 原因不明の慢性痛

この「痛覚変調性疼痛」という概念は近年とても注目されており、”ICD-11″という、世界保健機関(WHO)が作成した最新の「国際疾病分類」の第11版において、「慢性疼痛」が疾病に分類されるようになりました。
画像検査で異常が見つからない痛みの多くがここに含まれると考えられています。
慢性疼痛が国際的に『疾病』と定義されるようなら、鍼灸マッサージの療養費(保険)にも適用されればいいのにと思います。エビデンスが増えればそんな未来もあるかもしれません。


痛みは「身体」だけでなく「脳」でも作られる

今回の学会で強調されていたのは痛みは身体だけでなく、脳の働きとも深く関係するということです。

慢性腰痛などでは

  • 扁桃体
  • 海馬
  • 視床
  • 視床下部

といった脳の部位の活動が関与していることが分かってきています。

つまり、

「身体の問題」+「脳の働き」

この両方が痛みに関係しているのです。


鍼灸・手技療法が痛みに有効な理由

今回発表された研究では以下のようなことが示されています。

①下降性疼痛調整系の活性化・強化

脳から痛みを抑える仕組みが働く

②自律神経の調整

副交感神経が優位になり身体が回復しやすくなる

③脳血流の変化

視床や帯状回など痛みに関係する脳領域に影響

④筋肉の緊張緩和

血流改善

このように

身体と神経の両方に働きかける治療

であることが、鍼灸や手技療法の大きな特徴です。
発表された研究では、頭皮通電や四肢通電といった鍼通電療法が線維筋痛症に効果を示した事例や、トリガーポイントへの鍼通電が下行性疼痛調整系の強化と再活性に繋がるといった事例が紹介されました。

あん摩マッサージ指圧施術、つまり手技療法に関してはまだまだ研究数がありません。
これは法律上、「視覚障害者の職域保護の為、あん摩マッサージ指圧師養成校の定員数を増やしてはならない」という制限がある為、研究機関である大学・大学院を増設しづらい現状とも関わります。
しかしながら少しずつですが研究に進む優秀な、あん摩マッサージ指圧師もいます。今後の発展に期待したいです。


頭痛に対する鍼治療

頭痛の中でも特に多いのが

  • 片頭痛
  • 緊張型頭痛

です。

研究では、難治性の緊張型頭痛に対して鍼治療の有効率が80%以上という報告もあります。

主な治療ポイントは

  • 側頭筋
  • 咀嚼筋
  • 頸部
  • 肩甲部

などです。

肩こりが改善すると頭痛も軽くなるケースは臨床でもよく経験されます。


慢性腰痛の新しい考え方

慢性腰痛は

脊椎(に関与する筋肉・関節も含む)

脳の機能

の両方の影響を受けていると考えられています。

発表では、
運動器の不具合の場合:姿勢動作と腰痛との関係性が明確かつ一貫性がある、全く痛くない姿勢がある。
脳の不具合の場合:否定的情動よって扁桃体、海馬、海馬傍回の過活動→痛みという感情が発現する。
と述べられました。
三陰交・内関・足三里・太衝・合谷といった有名な経穴刺激が脳血流の増加に影響するようです。

そのため治療では

  • 筋肉
  • 神経
  • 血流

のすべてを考慮する必要があります。

鍼灸・あん摩マッサージ指圧治療では

  • 筋緊張と有無と関節可動性
  • 神経症状の有無と骨アライメントの正常性
  • 冷えや熱感の有無、皮膚や筋肉の力感

などを触診しながら施術が行われます。


手技療法の可能性

今回の学会では

  • リンパドレナージ
  • 顔面神経麻痺後遺症に対する表情筋マッサージ
  • 廃用症候群

などに対する手技療法の重要性についても多くの発表がありました。

特に高齢社会では

  • 筋力低下
  • 活動量低下
  • 慢性痛

が大きな問題になります。

その中で
身体に負担の少ない治療法としての鍼灸・手技療法の役割は
今後さらに大きくなると感じました。
私は鍼灸の免許を持っていませんが、長生術を用いた手技療法でも効果を出せるのではないかと期待しております。


最後に

今回の学会で改めて感じたことは痛みの理解が大きく変わってきているということです。
昔は「心因性」として扱われていた痛みも、現在ではそのメカニズムが詳らかになりつつあります。

鍼灸や手技療法は身体と神経、そして心(=脳)に働きかける治療であり、
この新しい痛みの概念にとても適した治療法だと思います。

今回学んだ内容を、今後の臨床にも活かしていきたいと思います。
写真は今回一緒に学会参加した、あマ指の仲間とあマ指のたまご達です。
知的好奇心がたぷたぷに満たされた1日でした。

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