あはきのお話

ちょっとした進路相談のおはなし

いよいよ師走になりました
年々、1年が過ぎるのが早くなっている気がします
どうも皆様こんにちは、なりひら治療院の鈴木です🍀

先日、後輩からとある相談を受けました。

こんなエピソードです。

「恭平さん、あはき(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう)か柔整(柔道整復師)の学校行こうと思ってるんですけど、どこがいいですかね?柔整取ろうと思ってるんですよね」

よしよしよし、後輩くん。
よく相談してくれた。
これからのキミの未来の話をしよう。
まずキミは免許を取って何がしたいんだい??

「開業権が欲しいんです」

そうだね。あはき・柔整の特権でもあるよね。開業権を持つ国家資格は他には医師と歯科医師しかないからね。
(あはき・柔整は医師の指示や処方に寄らず業務が出来る為)

開業権を持って、どんなことがしたいんだい??

「手に職を付けたくて」

すごくわかる。
どこでも食っていける感じがするよね。
資格取ったら安定するような気がするよね。
安定が欲しいのかい??

「安定したいです」

安定が欲しいなら、あはき・柔整よりも理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の方がしっかりした医療機関で働けるから安定するよ

「それも悪くないんですが、いろいろな場所で働きたいのもあるんですよね」

フリーランスで医療機関や介護福祉施設で勤務してるPTやOTっているのかなぁ
ちょっと僕にはわからない

「あとは、柔整だと専門学校から付属の整骨院に就職すれば学費が免除になる学校もあったりして、、、」

なるほど、あるよね。
看護師さんとかもそういう制度あるもんね。
職業訓練給付金もあるけど、今までフリーランスで働いてて社会保険に加入してなかったら利用出来ないからね。
確かに学費免除はデカい。医療系国家資格の学校はどこも高いからね。
ちなみに、それぞれの免許で出来ることが違うのは知っているかい?

「(ちょっとピンと来てなさそうな表情)、、、」

僕の治療院は、はり・きゅう・マッサージの治療院。その名前の通り、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の免許者がいるから、はり・きゅう・手技療法を行う事ができる。
そもそも、この『指圧』というものが『手技療法の総称』であるから、あん摩マッサージ指圧師さえ取ればどんな手技でも出来るんだ。(もちろん、人に危害を為さない前提で)

そして、柔道整復師というのは『骨折・脱臼・打撲・捻挫・肉離れ等の急性外傷の処置ができる』免許。慢性症状に対してのマッサージや指圧といった手技療法はできないんだ。

しかも骨折・脱臼については、応急の場合を除いて医師の同意がなければ行ってはならない。
元々は整形外科の数がなかった頃に、応急的にケガの処置ができるホネツギさんだったんだ。

PTやOTは運動機能の回復や日常生活作業の回復の為に主に病院やリハビリ施設、介護福祉施設で働いている。
彼らは医師の指示や処方の下で理学療法(機能訓練や物理療法)や作業療法を患者に提供している。

「え?接骨院や整骨院でやっているのはなんですか?」

なんだろね??笑
慢性的な肩こり・腰痛とか保険使って揉んでるところあるよね。
あん摩マッサージ指圧師の免許があればいいけども、はりきゅう・マッサージで保険使うなら医師の同意書が必要だしね。
でも、もしもキミがダンスなどのスポーツ現場で外傷の処置がしたいのなら取得すべき免許。もしそうでなく、手技がしたいのなら他に取得すべき免許がある。
さっきも言ったように慢性症状に対する手技療法は柔道整復師免許の業務範囲じゃないんだ。
もう一度聞くよ。
キミはどんな仕事がしたくて、その仕事の為にはどんな免許が必要だい?

「僕の認識と違った、、、手技療法したかったら、あマ指いりますね🤔🤔」

さらにいうと、あはきの免許があれば訪問鍼灸マッサージもできる。

「そう、訪問やりたいんですよね🧐🧐」

訪問したいのならば尚更あはきを取りに行くべきだ。訪問は地域医療との連携が必須。開業すると孤立しがちな業界だが、訪問は積極的に社会と繋がる必要がある。コレは大事。
そして、あはきは奥が深い。職人だ。常に自己研鑽が必要。技や知識だけじゃなくて、人間性も磨かないと患者さんは来てくれない。僕らは一生、自己研鑽しなきゃいけないし、すべきだし、したいし、実際しているつもり。
ここにやり甲斐や適性を感じるなら、あはき業界はオススメするよ😊

「なるほど、、、あマ指も取れる学校教えてもらえますか??」

よっしゃ任せろ。
ちなみにこれはオレがあマ指免許が取れる学校」をまとめて一覧にした記事な。
また何か聞きたいことあったら相談してくれ!

と、こんなやりとりがありました。
僕としては、この業界に興味を持ってくれる若い子がいるだけで嬉しいのですが、手放しに歓迎することもできません。
きちんと制度を理解して、自分のやりたいことを整理した上で、キャリアを選択すべきです。
特にあはき業界は、免許を取ったからと言って生活が一生安泰というわけではありません。
むしろ取ってから、安定して食えるようになるまでが大変です。

こういう話を就職・進学サイトはきちんとしているでしょうか?学校の進路面談や進路説明会などしているでしょうか?そもそもあはき・柔整の専門学校も当たり障りのいい謳い文句だけで、きちんと免許と業務範囲が進学希望者とマッチしているか説明できているでしょうか?

専門学校の学費は400〜600万くらいです。大学と同じくらいの学費がかかります。一度入ったら途中で進路変更なんて、よほど実家が太いか、貯蓄がなければ簡単にできません。ましてや、あん摩マッサージ指圧師が取れる学校は全国でも限られています。

この免許が凄い、この免許はダメだという話ではありません。
自分のやりたいことを叶えるために必要な免許をきちんと理解して、取得してほしいのです。
どの免許も困った人を助けることのできる素晴らしいものですが、免許というものは「本来禁止されている行為を許可するもの」です。
自分達が正しくその力を知り、正しく使わなければなりません。

そして、努力の末に勝ち得た開業権は始まりに過ぎず、そこから自分の生活を勝ち得ていくためには更なる努力が必要になる仕事です。

どんな仕事も同様ですが、気合と覚悟のいる仕事なんです。
それでもやりたいと言ってくれるのであれば、僕は全力で応援するし、免許取ったら一緒に何か仕事ができるのを楽しみにしてます😊

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