健康のお話

天気と痛みの関係性

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今週いっぱいは雨続きとなり、例年以上に早い梅雨入りとなりそうですね。

天気が悪くなると痛みが出やすい(関節痛や頭痛など)
具合が悪くなる、、、
といった方も多いのではないでしょうか。

天気と症状の因果関係が立証されている訳ではありませんが、実際に気象条件の変化により痛みが増強することを経験なさった方もいらっしゃるかと思います。

自分なりの説ではありますが、生理学的に気象変化がもたらす痛みの増強メカニズムを考えてみました。

①気圧変化のセンサーは「内耳」にあり?

佐藤ら※1によると気圧変化のセンサーは「内耳前庭」にありそうだと報告しています、
内耳とは耳の鼓膜の奥の部分で、音の振動や平衡感覚を司ります。その内耳にある「前庭」という部分にセンサーがあるようなのです。
この前庭で感知された気圧の変化によって自律神経反応が引き起こされ、痛みが誘発されるのではないかと示唆しています。
(前庭から自律神経中枢である視床下部までの求心路が気になるところです、、、前庭神経が求心路になっているのかな)

②低気圧による血管内圧の変化

これも仮説の域を出ませんが、低気圧による血管内圧の変化も自律神経反応に影響を及ぼすのではないかと考えます。

「気圧=自分の体の外側からの圧力」とも考えられるので気圧が下がれば体外からの圧力も下がります。
外から押される力が減りますので、反対に中から外へ押し出す力(内圧)が強まります。
つまり、身体の中が外へ膨らむとイメージするとわかりやすいかもしれません。
(目に見えてわかるような変化ではありませんが^_^;)

体の中が膨らむ訳ですから、血管も膨らみます。血管が膨らむと血圧は下がります。
人間の体にはこの「血圧の変化」を感じ取り、自律神経の働きを調整して、血圧を一定に保とうとする機能があります。(「圧受容器反射」と言います)
圧受容器反射は血圧が上がれば副交感神経優位になって血圧を下げ、血圧が下がり過ぎれば交感神経優位になって血圧を上げようとします。
下がった血圧を戻そうと、交感神経が優位になり、痛みなどの影響を引き起こすのではないかとも考えています。

よく聞くけど、「自律神経」って何なん??

身体全体に様々な働きをする「自律神経」。
そもそも何なんでしょうか?
簡単に言うと、「自分じゃコントロールできないことを勝手に調節してくれてるやつ」です。
循環(血流・血圧など)、呼吸、消化器、内分泌(ホルモン)、体温、睡眠、摂食、情動などをコントロールします。
気づかないうちに働いてくれてるものですし、目には見えないので本当に存在しているのかどうかも感じられないかもしれませんが、ちゃんと実在しています笑
僕も専門学校時代に解剖実習に行くまで、ピンと来ていませんでした(^^;)

自律神経は2種類。
「交感神経」と「副交感神経」

交感神経とは

テンションが上がったり、興奮したり、怒ったりした時に優位に働く自律神経のうちの1つです。
これが働くからこそ、人間は活動的になれるのです。
日常生活には欠かせません。

副交感神経とは

リラックスしている時、お風呂上がり、眠る時などに優位に働く自律神経の1つです。深く息を吐いた時にも優位になります。活動的な交感神経と休息的な副交感神経、どちらもバランスよく働くことが大事です。

気圧の変化で交感神経が働きすぎるのでは???

この交感神経の働きのうちに「血圧を上げる」「血流を促進する」といった働きがあります。
先述の内耳からの自律神経反応や圧受容器反射によって、交感神経が活発になることで、下がった血圧が上がり、血流が促進され、身体はバランスを保とうとします。(体内の恒常性、ホメオスタシスとも言います)
ところが、よくなった血流に乗って、痛みを引き起こす物質も流れてくるのです。。。

「痛み」は人間の正しい修復反応
交感神経との関係は?

筋肉でも臓器でも、その器官が損傷した時には治そうとする反応が起こります。
その修復反応の1つとして炎症が起こります。
(めちゃめちゃざっくばらんな言い方ですが笑)
炎症についてはまた別の記事で話題にしますが、「発赤」「腫れ」「痛み」「熱感」「機能障害」が炎症の5大兆候です。

炎症は傷ついた部分を治そうとしている証拠なので、正しい免疫反応なのです。
しかしながら、同時に数種類の発痛物質が放出されます。
「最強の発痛物質」と言われるブラジキニン、花粉症の時によく聞くヒスタミン、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニン、エネルギーの元になるATP、他にもプロスタグランジン、サブスタンスPなど、、、
これらの化学物質は痛みを感じるベンチマークを下げ、普通では感じない程度の刺激でも痛みを感じさせます。

また、交感神経が優位になることでアドレナリン・ノルアドレナリンといった興奮性のホルモンも放出され、これらも痛みを引き起こす物質と言われています。
アドレナリンとノルアドレナリンは血圧を上げたり、血流を促進する働きがあり、損傷が起こっている部位にガンガン血を送って修復反応を促進し、「痛いからあんまり動かしたりせんといてや!!痛いかもしれんけど、ちゃっちゃと傷治そう!!」とする訳です。

つまり、もともと傷ついていた部位がある状態で交感神経優位になると普通なら感じない反応も過敏に感じてしまうのだと考えられます。

天気で痛みが出てる時のマッサージってどうなの??

あん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅう治療の得意技の1つは「自律神経の調整」です。
働きすぎている交感神経を落ち着かせたり、もっと副交感神経に働いてもらったりする効果があります。
「マッサージって血流よくするから逆効果なんじゃない??」
と言う疑問もあるかもしれません。
このような手技療法によって促進されるのは動脈血ばかりではありません。
不要な細胞や物質などの老廃物を流すのは静脈血やリンパ液です。
手技療法によって、これらの老廃物も速やかに流すことができると期待されます。

天気痛にはマッサージもいいかも

マッサージによる血流促進によって即時的に痛みが誘発されることはあるかもしれません。
しかしながら、動脈血だけでなく静脈血やリンパ液も含めて循環全体が改善します。
また、何といっても気圧や気温の変化で乱れた自律神経の調節が期待されます。
この季節、何かと不安定な天気が続きます。
体調が不安定な方もぜひ、手技療法を受けてみてはいかがでしょうか。

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参考文献

  1. 佐藤純:気象変化と痛み、脊髄外科VOL29,NO2、153-156、2015
  2. ドクターサーチ宮城:https://miyagi.doctor-search.tv/voicedetail/MIYAGI-DVOICE-4000003
  3. 渡辺・早崎・由留木:痛みのメカニズムと鎮痛、保健医療学雑誌8(1)、50-63、2017

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