お仕事のお話

情報の選び方・発信の仕方って難しいよねというおはなし

こんにちは、なりひら治療院の鈴木です。
だんだんとGoogle先生経由で当院を知って下さった患者さんが増えてきた感じがしています。

ホームページは「既存プラットフォームを活用し、自己開示する事で、
見る人に『自身が信用・利用に値する存在か否か』を判断して頂くツール」
であり、患者さんが来院しやすいような導線を敷くことと同時に、
信頼性の高い情報を発信する事も必要だと考えています。

真面目な事ばかり発信している訳ではないですが、
特に専門である、
「健康に関する事」「身体に関する事」「あはき業界に関する事」を発信する場合は
引用先や公式発表など、根拠のある情報源を用い、注意深く発信して参ります。

引用元や公式見解など根拠のあるものについては断定的な語尾を使います。
語尾が「思います。感じます。」というフレーズの場合、
それは私見や考察です。

「この人はこういう考えなんだな」
という感じで、受け入れるか、サラリと流してください。
私の文章はそんな語尾が割と多いです。

職業人であるならば誰しも、「その仕事についての考えや哲学」を持っているでしょうし、
そのこだわりこそが、いい仕事を産み出す職人魂だと思います。
なので、私たちも自身の手技療法について仮説・検証・評価・改善を日々繰り返し、
技術向上の為に取り組んでおります。
(努力している・精進しているというのは周りの人が判断するものだと思うので、
自分から「僕、めっちゃ努力してんねん!」とは言えません)

研鑽を積む過程において、ほぼ間違いなく、「自分のやり方」というものが出来てきます。
この「自分のやり方」、悪いものじゃないし必要だと思います。
しかし、「自分のやり方」が100%普遍的なものであるとは限りません。
自分のやり方を伝えたとしても、その方法で他の人が同じ結果になるとも限りません。
大規模に、もしくは長期追跡によって検証・統計を取った結果ではないので
『科学的に根拠のある話』とはなりません。

『誰が実施しても、誰に施しても、同様の結果を導くことができる』方法が科学的であると言えます。
鍼灸マッサージ療法も体系化が進んできており、
学問として、日夜、科学的に検証を積み重ねておられる先生方もたくさんいらっしゃいますし、
多くの研究論文が発表されています。
「あん摩マッサージ指圧理論」として厚労省認定の養成学校では教科書にもなっています。

とはいえ、未だ日本における標準医療に含まれるとは言えず、
信頼度の低い「個人レベルでの実感・体験談」をベースに語られることも少なくありません。
これは医師にも言えることですが、
「自分はこういう患者さんに、こういう治療を施して、効果があったからみんなやるといいよ!」
というのは信頼度の低いお話です。
本当にその通りなら、学会発表や権威ある医学雑誌への掲載、各種疾患ガイドラインへの掲載など、
公な情報開示がなされるはずです。

ですので、私は手技や身体、疾患、治療法についてはエビデンスがある事以上は話題にしない方針です。
話題にしたとしても、私見である事がわかるような文章構成にします。

つまりは、
「エビデンスレベルの低い個人の感想や統計母数の少ない話を、さも『普遍的な真実』のように伝聞する」
といった事をしたくないのです。

ちなみに各種エビデンスの位置付けはこんな感じ。

引用先:https://medicco-lab.com/3937/ebm/
医療メディア メディッコ,コラム【EBM】みんなどうしてる?エビデンスの使い方,2019/6/3
より

専門家の意見でさえも、エビデンスレベルは低いのです。
いわんや、YouTuberなど。

YouTubeやSNSで気軽に情報を発信も受信もできる世の中です。
わかりやすくてキャッチ-なものが好まれます。
ですが、真実はいつもわかりづらくて見つけにくい所にあるものだと私は考えています。

厚労省がこんなサイトを作っています。
厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』e-JIM
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html

中でも特に、このページには注目して頂きたいです。
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/hint/index.html

こんなチラシもあります。
ご参考になれば幸いです。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000118514.pdf


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